3Dパターン・フルマッケイ製法
3D(スプリング)・パターンとは、精緻に計算されれた型で切り出したパターンを1つずつ、また1足ずつそのラスト上でアッパーを組み上げていくというものです。この製法は、膨大な手間がかかる上に寸分のない精緻さが求められるため、その製作費が20万円を超えるような名門ビスポークと同様に、量産ではまず見ることのできないものです。
もちろん「足あたりも最上のものを」という気配りも忘れてはいません。ライニングには全面に吸湿性の良い渋なめしのカーフ(牛革)を使い、心地よい足あたりを実現。中敷には前部に吸湿性抜群の牛ヌメ革、後部にはアッパーと同じクラストレザーと、超豪華な仕様となっています。
さらに本底と中底の間にはマッケイ製法には珍しく、グッドイヤー製法と同様に粒の大きな練コルクを多く充填することで、履く人の足の形に馴染んでいきます。加えて、ヒールを後付けすることにより、アウトソール全周にマッケイのステッチを細かなピッチで縫い合わせることが可能となり、よりエレガントな仕上がりとなっています。
ヒールはモアサナイト(鉱物)とも称され、その名の通り頑健なものを採用、レベリングにより強度を増したコバは、ハンドトリミングされ繊細な表情となり、またコルクを搭載した天然レザーソールが一層、靴のラグジュアリー感を際立たせています。履きこむほどに足に馴染み、手放せない1足となることでしょう。
1足1足ラスト上でのアッパーの組み上げ、糊を極力使わない製甲、ライニングとアッパーを別々に手で吊り込むハンド・サイドラスティング…。ここでは書ききれない沢山のもうひと手間が詰まっています。